平成29年度 大阪府訪問看護ネットワーク事業 機能強化支援セミナー 個別指導 実施報告

平成29年度に実施したセミナー終了後、希望を募り、5事業所が個別指導に参加した。
個別指導の内容は、セミナーで学んだバランスト・スコアカード(以下、BSC)をマネージメントツールとして、対象者それぞれに対し事業所の状況に合わせた機能強化への取り組みを支援することで、経営力向上を目的とした。

期間:同年10月~2月にかけて月1回のペースで計5回
場所:大阪府立大学I-siteなんば教室
   (組織と人的資源のマネージメントについては各事業所を訪問)

 

スケジュール

10月:SWOT分析と戦略マップの確認とBSCのアクションプランまでの指導
11月:看護面での課題を中心に助言指導
12月:取組の状況の聞き取りとBSCの評価
   VEによる機能系統図の提示と機能達成度評価表による自己評価
1月 :組織と人的資源のマネージメントについての指導
   (事業所訪問にて管理者とメンバーを対象)
2月:BSCの最終確認と改善部分の評価
※月ごとの指導内容は、受講者の状況により内容の変更やゴールの設定を行った

参加者は、最初に事業所の特徴を全体的に把握し分析することで強みや弱みを知り、ビジョン(事業所の将来あるべき姿)を基に、独自の戦略を明確にすることから取り組んだ。財務状況の評価は結果としてとらえ、目標達成のために総合的に評価することが重要であることをツールの実践から理解した。
参加者のBSCへの反応は、取り組みの連鎖関係や各エリアの該当項目に悩み、「難しい!」との言葉があり更新が困難な状況もあったが、最終的には、「表にすることで全体像がとらえやすい」や「課題の繋がりが見え、あらたな課題に気づいた」、「取組の優先度が見えた」、「組織内で共有しやすい」などの手応えを得、受講を重ねることで理解を深めた。
また、戦略実行の為には経営理念・ビジョンが不可欠であること、機能強化向上の為には、BSCを定期的に評価しPDCAサイクルを継続することが大切であることなどを学んだ。
個別指導では、指導回数の早い段階でのツールの理解や分析の整理が必要である。今後は、個別指導の内容について検討し、さらに充実を図りたい。