2019度 大阪府訪問看護ネットワーク事業 機能強化支援セミナー 実施報告書 

 

2017年度から大阪府の事業補助を受け、訪問看護ステーション事業所等の機能強化を支援するため、3年目の今年はセミナーを7月7日と7月21日の2日間にわたり実施した。

2019年7月7日(第1回)の参加者は11名で、年齢は40歳代5名、50歳代6名であった。臨床経験年数は21~30年が最も多く5名、うち訪問看護経験年数は1~5年が5名と最も多かった。

受講動機は、「経営に活かして事業を拡大したい」「利用者・スタッフを増やしたい」「機能強化型をとるため」「経営者として訪問看護の理解を深めたい」などがあった。

第1回の研修内容は、本学の経営・経済の専門家からバランスト・スコアカードを活用したサービス価値向上のマネジメントや人的資源のマネジメントについての講義であった。研修後のアンケートでは、実践に役立つと研修の満足も高かった。

2019年7月21日(第2回)の参加者は10名であった。研修内容は、バランスト・スコアカードを用いた戦略目標を設定しサービスの戦略計画、経営・管理の課題の抽出であり、前回の講義を基にワークショップ(個人ワーク)を行った。研修後のアンケートでは、実際に役立つとの意見が多かったが、少し難易度が高いとの意見もあった。

セミナー終了後の個別指導への参加希望は8名であった。

今年度のセミナーは11名と参加人数が少なかった。しかしその分、ファシリテーターの目が行き届き、個々に十分な検討できた。昨年度と同様、第2回目はワークショップとし、個人ワークを行い、ファシリテーターの助言を受けながら自施設の課題を抽出し、具体的な戦略計画を考えることを集中して実施した。結果、「自施設の課題が明確になっていない事に気が付いた」や「経営者側と収益アップのための人材投資や業務改善について、もっと話し合うことが必要であると思う」との意見があり、今回のセミナーが役立ったと考える。セミナー終了後には、参加者11名中8名が個別指導を希望し、継続した指導を受ける運びとなり、参加人数は少なかったものの、参加者にとっては講師やファシリテーターとの関係が近く参加し易いセミナーであったといえる。一方「機能強化型訪問看護ステーションについて、具体的に知りたかった」や「訪問看護の今後の展望や事業拡大について学びたい」などの意見もあり、継続研修や内容についてなど今後の検討課題としたい。