2020度 大阪府訪問看護ネットワーク事業 機能強化支援セミナー 実施報告 

2017年度から大阪府の事業補助を受け、訪問看護ステーション事業所等の機能強化を支援するため、4年目の今年はセミナーを2回実施した。本年は、新型コロナ感染症の渦中ということもあり、感染症対策として第1回目セミナーをWeb配信、第2回目セミナーは対面とZoomを併用した同期型とし開催した。申込み人数は、25名であった。

第1回機能強化支援セミナー Web配信講座は、2020年7月19日から8月2日の2週間の配信とした。参加者は24名で、年齢は40歳代12名、50歳代9名、30歳代が3名であった。受講動機は、「日頃から課題に思っている人材育成、人材確保について今後の取り組みを考えたいと思ったから」「自分自身のマネジメントの振り返りと課題の抽出のため」「よりよい訪問看護ステーションにしていきたいから」などがあった。セミナーの内容は、本学の経営・経済の専門家からバランスト・スコアカードを活用したサービス価値向上のマネジメントや人的資源のマネジメントについての講義であった。セミナー後のアンケート(回収数8名)では、「実践に役立つ」が7名であり満足度が高かった。また、Web配信については、「理解できないところは反復して聞くことが出来る」「自分の好きな場所で落ち着いたタイミングで講義が受けられる」「感染症拡大の状況で公共交通機関の利用をせずに参加出来て良かった」など、Webb配信ならではの利点も評価された。

第2回機能強化支援セミナー ワークショップは、2020年8月9日(日)に、対面とZoomを併用した同期型とし開催した。申込み者24名中、10名がI-siteなんばでの対面で、7名がZoomでの参加となった。感染症の影響もあり、事業所内の急な対応などで7名が欠席となった。セミナーの内容は、バランスト・スコアカードを用いた戦略目標を設定しサービスの戦略計画、経営・管理の課題の抽出であり、Web配信講座の講義内容を基にワークショップ(個人ワーク)を行った。対面とZoomを併用した同期型の開催ではあったが、セミナー後のアンケート(回収数11名)では、セミナーの満足度について高評価を得ており、「実際に役立つ」(9名)、「理解できた」(11名)との意見が多かった。対面参加者、Zoom参加者の両者において有効的にワークショップを開催できた。

 

【↑チラシ表面】           【↑チラシ裏面】

【↑感染症対策に対応した受付の様子】      【↑担当教員の紹介】

【↑Zoom参加教員との中継】          【↑Zoom参加者に対応するのホスト担当教員】

【↑ワークショップの光景 フェイスシールドを装着し個別にアドバイス】

【↑山本先生とのディスカッション】      【↑上野山先生の質疑応答】

 

今年度は新型コロナ感染症の影響で例年とは異なる方法での開催となった。特に、第2回目セミナーでは、対面参加者、Zoom参加者の両者がワークショップ(個人ワーク)を同期で実施するという新たな試みではあったが、ネット環境を駆使し、各参加者がファシリテーターの助言を受けながら自施設の課題を抽出し、具体的な戦略計画を考えることに集中することが出来た。その結果、「毎日の課題解決に追われて、十分な戦略が中期・長期立案出来ていないことに気が付くことが出来た」や「具体的なアクションプランを抽出しなければいけないと感じた」との意見があり、今回のセミナーが役立ったと考える。

また、オンライン形式でのセミナーになったことについては、各参加者のネット環境に頼る部分もあり、「多少聞き取りにくい点があった」等の意見が聞かれた一方で、「コロナ禍で、集合ではなくオンライン研修は安心できる」「オンライン研修の方が参加しやすい」「主催者の皆様は大変だと思いますが、次年度もWeb形式の研修もお願いします」など好評を得ることが出来た。セミナー終了後には、6名が個別指導を希望し、継続した指導を受ける運びとなった。